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カテゴリ:未分類( 103 )


2017年 01月 13日

Raymond Meade with Eva Kor : THE RAILWAY PEOPLE

 レイモンド・ミードの新作はアウシュビッツ生存者でありキャンドル・ミュージアム創設者、エヴァ・コール(脚注参照)との異色コラボレーション。書き下ろし3曲、エヴァ女史の朗読1曲、そして30分のオーディオ・ドキュメンタリーという構成。重いテーマながらもレイモンドが得意とするサウンドとメロディでまとめ上げたコンセプト的アルバムに仕上がっている。

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The Railway People(特設サイト - アルバムの売上すべてキャンドル・ミュージアムに寄付されます)

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◆ポーランド観光で訪れたアウシュビッツ収容所跡地で衝撃を受け、その後何度もこの地を訪れ歴史を学習しながらインスピレーションをカタチにしていったという。アルバムのタイトルは当時「死の門」と呼ばれた収容所への鉄道引込線を意味する。そのレールの一部は現在でもミュージアムの敷地内に敷かれている。



(脚注) Eva Mozes Kor : 1934年ルーマニアの農村にてユダヤ人の家庭の双子の姉妹として誕生。6歳の時に村がナチ兵に占領され家族ごとアウシュビッツ強制収容所へ連行される。双子だった事から数々の地獄的な人体実験にさらされるが終戦まで生き延びる。その後アメリカへ移住、家庭を持つ。84年にThe CANDLES (Children of Auschwitz Nazi Deadly Lab Experiments Survivors : ナチ・アウシュビッツの致命的な室内実験の生存物である子どもたち)Organizationを設立、95年にはインディアナ州・テレホートにCANDLES Holocaust Museum and Education Center(ミュージアム)を建設。”Forgiving Dr. Mengele" というドキュメンタリー映画(人体実験を主導した医師とそのスタッフ、人体実験にさらされた双子たち、そして許しがテーマ)に出演。著作もあり現在でもアウシュビッツを行き来してガイドや講演活動を行なっている。
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by chihon | 2017-01-13 00:31
2016年 04月 25日

アイリッシュ・ミュージシャンによるプリンスのカヴァー・ヴァージョン

 アイルランドのロック系ミュージシャンたちに多大な影響を与えリスペクトされていたプリンス。カヴァーされた楽曲をいくつか紹介したいと思います。


◆いちばん有名でまず筆頭にあげられるのがこれ。シネイド・オコナー「ナッシング・コンペアーズ・トゥー・ユー」。元々はプリンスがファンク・バンド、ザ・ファミリーに提供した曲。全くの無名曲だったのをシネイドがカヴァーし、1990年のセカンド・アルバム“I DO NOT WANT WHAT I HAVEN’T GOT”(邦題:蒼い囁き)に収録、シングル曲として世界中で大ヒットを記録した。


◆これはほとんど知られていない珍しいカヴァー。ベルファスト出身のアイリッシュ・シンガー・ソングライター、アンディ・ホワイトによる「ラズベリー・ベレー」。プリンスのオリジナルは1985年で、アンディは自身が得意とするフォーク・ロック調でカヴァーしてRTEラジオでのスタジオ・ライヴのヴァージョンを1990年発表のEP “IN A GROOVY KIND OF WAY”に収録した。


◆ホットハウス・フラワーズ「パープル・レイン」。4年ぐらい前のダブリンのFM104の音楽番組に出演した際のアコースティック・ライヴ。音源としては未発表だが優れた演奏と唄でかなり聴き応えがある。


◆アイリッシュじゃないけど外せないバンドによるカヴァー、ザ・ウォーターボーイズ「パープル・レイン」。プリンスがこの曲を発表した1984年直後からウォーターボーイズはこの曲をカヴァーし、以後ライヴでの定番曲としておなじみになった。1998年発売のライヴ編集アルバム“THE LIVE ADVENTURES”に1986年のオランダでの黄金期メンバーによるライヴ・ヴァージョンが収録されている。この映像は昨年(2015年)プリンスの地元ミネアポリスでのライヴ。この直前に日本でもこれと同じセットで演奏された。単独ライヴでのアンコールで演る事が多いらしい。今後のライヴでも演るだろうが、マイク・スコットは果たしてどんな気持ちでこの曲を唄っていくのだろうか・・・

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◆上記収録のレコード/CD


◆1990年7月にアイルランドのコークでのショーの様子を捉えた約20分のテレビ・ダイジェスト。アイルランドでの人気と共に会場や観客の様子も伺えて興味深いです。
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by chihon | 2016-04-25 02:42
2015年 12月 25日

The Blades : SMALLTIME

 ザ・ブレイズは1977年から86年までダブリンを中心に活動していたバンド。ヴォーカルのポール・クリアリーを中心に当初は3ピース、のちに4ピースとなり、アルバムもリリースしたし、シングルもそこそこヒットして人気を得ていた。同郷のラジエーターズや駆け出しの頃のU2なんかと一緒にライヴをやっていたという。パンク/パワーポップ系のバンドにしては珍しくビートルズ影響下の良質なメロディーの楽曲センスが光るバンドだった。解散後ポールはソロに転向するもヒットには恵まれずシーンから姿を消す。その後90年代に起こったアイリッシュ・ロック・ブームの渦中では伝説のバンドとして語られていたぐらいだ。

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iTunes bandcamp

 時は経ち2013年、ポールがフィリップ・シェヴロン・トリビュートに出演、20数年ぶりの公の場に現れラジエーターズの代表曲「エネミーズ」と自身のブレイズでのヒット曲「ダウンマーケット」を弾き語りで唄い喝采を浴びた。その年の暮れにはブレイズを再結成し、キーボードとホーンセクションを加えた豪華な編成でオリンピア・シアターでライヴを行なった(ライヴ盤もリリース)。と、そこで終わるかと思いきや翌14年15年とライヴ活動を行いメディアを賑わせ、遂に新曲がリリースされた。



 今回リリースされた4曲入りEP、タイトル曲にはメロディアスなバラード調の曲、あと3曲も楽曲の良さが光り、80年代のアノ感じを復活させつつバンドは新しくなって進化していくよ、って感じさせてくれる。更に来年(16年)にはアルバムも予定されているとの事。今後の活動が楽しみである。


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by chihon | 2015-12-25 02:21
2015年 12月 19日

Dylan Walshe : SOUL HELL CAFE

 以前からその筋の熱心なファンから注目されていた、アイリッシュ・トラッドやパンクをルーツに持つ若きフォークシンガー、ディラン・ウォルシュのデビューアルバム。ポーグスやクラッシュのカヴァーなども含むライヴ盤だ。自らのルーツに忠実なアイルランド人であり、バンドではなくソロでギター1本で演ってるってのが良い。

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CD MUDDY ROOTS DL iTunes





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by chihon | 2015-12-19 11:45
2015年 05月 20日

Raymond Meade : WHYDOLISE?

 ソロ・ファーストから3年、レイモンド・ミード待望のそして期待のセカンド・アルバム。以前にも何度か書いているが、1982年グラスゴー生まれのレイモンドは90年代のブリットポップ/ギーターポップに誘発されバンドを始めた世代。ストーンローゼスやオアシスといったグループからの影響が根底にあり、弟のダニエルらと組んだバンド、ザ・ロネルズでデビュー、グラスゴー・ムーヴメントにうまく乗り来日も果たすなどそこそこの成功をおさめた。ロックを始めた初期衝動を消化しやがてバンドは解散したが、レイモンドはソロ・アーティストとして活動中だ(弟のダニエルはC&W路線に転向して活躍中)。このセカンドでは更にシンガーとして、メロディメーカーとしての才能を開花させている。

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購入はココで

 レイモンドにはこの3年間本当にいろいろな事があった。ファーストを出した後、音楽をやめてしまおうか悩んだというほどのスランプに陥ったり、そのファーストに参加したフィリップ・シェヴロン(ポーグス)の死、それを乗り越え活動再開、結婚、更に昨年暮れにはこのセカンドに参加しているボビー・キーズ(ローリング・ストーンズ)の死・・・そして今回素晴らしい制作チームに恵まれ良質なアルバムを発表できた。5月15日のアルバム発売記念ライヴも盛況だったとの事。

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◆昨年秋、ダブリンの記念撮影の名所にて・・・


◆本作のPV。スティーヴ・クラドック(オーシャン・カラー・シーンやポール・ウェラーのギタリスト)が参加。プロデュースはオーウェン・モリス(オアシスで知られる有名プロデューサー)。
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by chihon | 2015-05-20 11:31
2015年 05月 17日

Billy Treacy : HEAD ABOVE WATER

 昨年秋にリリースされたシングル‘TEMPLE BAR’がアイルランド・ダブリンの各メディアにとりあげられ話題になったビリー・トレーシーのアルバムがリリースになった。ビリーはダブリンの有名なパブ、ハーフペニー・ブリッヂ・インをホームにするフォーク・シンガー(・ソングライター)。1990年代はアメリカに移住していてアイリッシュがツアーに来るとオープニングをやったりといった演奏活動をしていたそうだが、2000年代に入ってからは地元ダブリンに戻り地道に演奏活動をしている。トラッド・フォークを伝承しつつそれを独自のソングライティングをとおしてコンテンポラリーへもっていくっていうタイプ。こういう男性シンガーはアイルランドでは珍しくはない。その演奏活動は自身のギター1本の場合もあればアコースティック編成のバンドが付く時もある。臨機応変に演ってるってのが(アイリッシュ・パブでの)セッション・ミュージシャンぽい。

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購入はココで

 このアルバムはもしかするとアイルランドやアイリッシュ・ミュージックに親しみがないとAORっぽく聴こえてしまうかもしれない。でも全曲をとおしてアイルランド的な音や唄い回しが聴こえるし、もちろんド・アイリッシュを感じさせる曲もある。そのくたびれたオッサン然としたルックス、時代遅れを想わせそうな男がダブリン近代化の象徴ともいえるLUAS(路面電車)のレールの上を歩いてるというジャケット写真がとても良い。ポーグスの曲がレパートリーにあったり、ダブリナーズのルーク・ケリーを彷彿させる部分があったりと、好感度かなり高く何度も何度も聴けるアルバム。

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◆ポーグスのケイト・オリオーダンと。やっぱりポーグスと繋がっていた・・・


◆シングル‘TEMPLE BAR’のPV。よくあるダブリン讃歌じゃなく、ビールの値段の高さや、観光客を嘲笑うかのような風刺の効いた唄をテンプル・バーを練り歩きながら唄ってる・・・
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by chihon | 2015-05-17 12:48
2015年 03月 07日

RIP Jim McCann 1944 - 2015

 アイルランドの至宝的フォーク・シンガー、ジム・マッキャンが亡くなった。享年70歳。1960年代に男女混成フォーク・トリオ、ザ・ラドローズで活躍。70年代には国宝級有名バラッド・グループ、ザ・ダブリナーズへ加入し知名度を得た。脱退後80年代からはソロ・シンガーとして活躍、多数のヒット曲を放ち国民的人気を獲得するに至った。代表曲として「キャリクファーガス」「グレース」が有名。また、ラルフ・マクテル、レナード・コーエンの曲をとりあげたりレパートリーは幅広かった。2002年に喉頭ガンのため現役を引退し療養生活に入ったが、その後もダブリナーズの再結成コンサートや記念イヴェントにはゲスト出演していた。
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THE IRISH TIMES

 ジム・マッキャンの魅力はスイート・ヴォイスと称されたその唄声にあった。ややクセのあるルーク・ケリーやロニー・ドリューとはまたひと味違った甘い唄声は万人受けしたし、特にバラード、とりわけラブソングを唄わせたらジムの右に出る者はいなかった。ラブソングばかりを集めたアルバムもあるくらいだ。90年代後半〜00年代初頭に何度か来日し、既にやや枯れた感はあったものの、本物のアイリッシュ・バラードを披露し日本のファンを魅了した。
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by chihon | 2015-03-07 02:35
2015年 02月 07日

Brendan Behan's THE HOSTAGE 日本上演

 ザ・ポーグスのシェインやフィリップのアイデンティティーの源であるアイルランドの劇作家ブレンダン・ビーアンの代表作品日本上演。かつてシェインは「ストリームス・オヴ・ウィスキー」でブレンダンの事を唄ったし、戯曲や台詞を作詞や歌唱のヒントにしていた。また、フィリップはこの劇中歌「ザ・キャプテン・アンド・ザ・キングス」をソロでリリースしたりした。

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 THE HOSTAGE(邦題:ヒトジチ)、日本の代表的な劇団民藝が最初に日本上演したのが昭和39年だそうだ。今回51年ぶり2回目の日本上演となる。舞台は1960年のダブリンの安宿。猥雑な登場人物たちの唄とダンス、人間模様、そして宗教的背景をもつアイルランドの文化、イギリスとの対立・・・それらがどう翻訳されどう演出されるのかに注目。音楽的にはやや不満が残ったが、唄や言葉が英語ではなく日本語で迫ってくる違和感にスリルを感じつつも妙に納得させられた舞台だった。

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◆ダブリナーズやポーグスが好んでプレイしていた曲「オールド・トライアングル」の作者でもあるブレンダンの銅像。ダブリンのロイヤル・カナル沿いにある。筆者撮影2012年。

過去記事参照

◆苗字の「Behan」にはいくつかのカタカナ表記が見られますが、当ブログは「ビーアン」と表記しています。

公演公式ホームページ
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by chihon | 2015-02-07 13:11
2014年 11月 27日

彼女は彼のもの

「彼女は彼のもの」 作詞:大倉洋一

愛したいけど She belongs to him
恋は Good feeling
I love her oh yes

涙がとまらない 彼女はかれのもの
Oh 悲しい恋心
A lonely day again oh no

さそいたいけど She belongs to him
恋は Good timing
I love her oh yes

はじめて恋をした 片想いの恋さ
Oh せつない恋心
A lonely day again
She belongs to him

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by chihon | 2014-11-27 22:40
2014年 10月 16日

The #1s : THE NUMBER ONES(ファースト・アルバム・リリース)

 ダブリンのパワーポップ/パンクバンド ザ・ナンバー・ワンズのデビューアルバムがイギリス、アメリカ、カナダでリリースされた。これを期にバンド名表記をThe #1sからTHE NUMBER ONESへと変更したそうだ。いくつかの英文レヴューに目を通しているがやはりプロテックス、ルーディ、アンダートーンズ、といったかつての北アイルランドのパンク系バンドが引き合いに出されているのが目に付く。僕らが聴き憧れている70年代からのアイルランドのパワーポップ/パンクバンドの音源が発掘され尽きた今でこそ僕らを魅了するのだ。このバンドを初めて聴いた時に音源と映像といった作品からだけでは感じる事が出来ない北アイルランドのパンクの空気感を感じた。文章にするのは不可能なあの感覚・・・

 2014年、アイルランド ダブリンから発せられるリアルなサウンド、甘く切ないメロディにのせて唄う3分以内のシンプルなロックンロール(収録曲中最長の曲は2分半だ)。このアルバムはイメージ的にはアンダートーンズのセカンドに近いです。

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◆デビュー・シングルを カセットオンリーでリリースした彼ら、ファースト・アルバムはアナログとダウンロードでリリース・・・
STATIC SHOCK RECORDS, UK
DERANGED RECORDS, USA/CANADA
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by chihon | 2014-10-16 01:11