クリスマス・アルバムを1枚紹介という事で1975年発表の
このアルバムを挙げておきます。個人的にはクリスマス・アルバムという括りで聴いてきたわけではないのですが、そのタイトルからか冬になるとなんとなく聴き返したくなるアルバムです。ホースリップスといえば、伝統音楽をエレクトリック楽器による演奏でアプローチした1972年のファーストアルバムが有名で、70年代中期の英国ポップ全盛期の波にうまく乗り、プログレやハードロックの要素を散りばめた秀作を3枚発表し、本作は5作目にあたるアルバムです。完全と言ってもいいアコースティックな作品でホースリップスの諸作中でも異色なアルバムでもあります。一般のプログレやハードロック、アイリッシュ・ロックのリスナーにはややクラシカルかな、とも受け取られそうなその音には伝統音楽/トラッドというよりケルト性が感じられます。
オキャロランズ・チューンや伝承唄を取り上げケルト神話性を浮かび表せているのです。雪、氷、ベツレヘム、イエス・・・クリスマスというより冬に焦点を合わせたコンセプトアルバム的な印象をもちます。もしもケルティック・クリスマスという表現があるのなら、このアルバムにピッタリ当てはまるでしょう。
◆オリジナルLPとリイシューCD。クリスマスカード風なジャケットデザイン。この記事を書くにあたってCDを聴きながらタイトルいわく冬の寒い夜道を車で走ってみました。